境界のRINNE 第100話 ターゲットは桜 [身代わり人形 part2]

前回は、「身代わり人形」の起源について、少し詳しく見てみましたが、身代わり人形には、身代わりになってくれる。という機能の他に、触れた悪霊はその場から動けなくなる。という機能もあるようですね。

境界のRINNE 第100話 ターゲットは桜 高橋留美子 週刊少年サンデー
境界のRINNE 第100話 ターゲットは桜 高橋留美子 週刊少年サンデー

これって、疑似餌でもって一網打尽にするという・・・・・ゴ○ブ○ホイホイ や ハエとり紙 と似ていますね。(^^)

昔話には、敵をネバネバしたタールでくっつけて捕らえる。という、「タール人形」というジャンルの話があります。例えば、スペインの民話には次のような話があります。

サムソン

昔、子供のいない夫婦がいた。夫婦はいつも神様に、「サムソンのように大きくて力の強い子供を授けて下さい」とお祈りした。

その甲斐あってか、夫婦にはサムソンのようなとても大きくて強い男の子が授けられた。その子は洗礼を受け、サムソンと名づけられた。

サムソンは大人になると、一日に三頭のブタをたいらげた。両親は生活に困ってこう言った。
「さあ、今度はお前に大鍬をやるから、よそで働いておくれ」

そうしてサムソンのために三人がかりでも運ぶことのできないような、大鍬を作らせた。サムソンはその大鍬を軽々と肩にかついで歩き出した。

サムソンは他人の家を訪ねると、仕事のために雇われ、とてもよく働いた。しかし、一日でその家にある物をみな食べてしまったので、二日目はもう暇を出された。そしてもう誰もサムソンを雇う者はいなかった。

誰も自分を雇おうとしないのを知ると、サムソンは王様の宮殿へ行って、大鍬ですべての庭を掘り返して全ての物をぶち壊してしまった。王様は騎士たちにサムソンを退治するようにと命じた。

最良の武器を携えた騎士たちが野原に出て、サムソンを待ち伏せしたが、サムソンはやって来ると、馬の尻尾をつかみ、ポン、ポン、ポン、ポンと投げ飛ばし、全ての騎士を馬もろとも殺してしまった。

そこで、みんなは相談し、タール人形を作って捕えることにした。タール人形を宮殿の近くに立てておいたのだ。そこをサムソンが通りかかると、タール人形はサムソンに道を譲らなかった。

そこでサムソンは、「わしを通さないつもりか、殴ってやる。」と叫んで、右のこぶしで殴りつけた。すると右手はタール人形にくっついてしまった。

そこでサムソンは言った。「わしを通さないつもりか、殴ってやる。」
そして左手で殴りつけたので、左手もタール人形にくっついてしまつた。

「わしの手を放せ。放さないのなら足で蹴り上げてやる」
そして右足で蹴り上げた。するとその足がタール人形にくっついてしまった。サムソンはとても腹を立てて叫んだ。

「わしの両手と右足を放せ。お前を左足で蹴り上げてやるぞ」
サムソンは残った足で蹴り上げると、その足もくっついてしまった。そこで更に叫んだ。

「わしの両手両足を放せ。腹で殴りつけるぞ」
サムソンは腹で人形を殴りつけると、腹もくっついてしまった。すっかり人形にくっついてしまったので、サムソンは捕えられて、殺されてしまったということだ。


この話は、ヨーロッパでは広く知られているのですが、グリム童話にも「大男の若者」という話があります。
ただ、グリム童話では、タール人形ではなく、「夜に入ると誰も生きては出てこれないという、悪魔の粉引き場に行き、真っ暗闇の中で、一晩中見えない相手と殴りあう。」 という話になっています。

タール人形の話の根底には、自分自身との戦い。というようなものがあるのかもしれませんね。

アメリカにもちょっと系統の違う、タール人形の話があります。

Uncle Remus: The Wonderful Tar-Baby Story
リーマスじいさんの話 タール小僧の話

英語原文は次で読むことができます。

II. The Wonderful Tar-Baby Story
IV. How Mr. Rabbit was too sharp for Mr. Fox

Uncle Remus: His Songs and His Sayings (1886)
by Joel Chandler Harris



どういうわけか日本にも全く同じ話があるので、それを見てみたいと思います。


島根県の昔話 狐と兎のけんか

昔、ある山の中に、狐の家が一軒あった。家がもるようになったので、狐は屋根に上って板を打ちつけると、トンカチがおちたので、そこを通りかかった兎に「君々、トンカチを拾ってくれぬか」というと、兎はトンカチを拾うと屋根の上へあげた。

兎は狐の尾を一緒に打ちこんだので、狐は痛くてたまらんから「早く釘ぬきを持ってきてくれ」と言った。

兎は「まて、まて」と言って下りて、棚にあった狐のごちそうを皆食べてしまった。狐は大きな声で、助けを求めたので、その声をきいて、他の狐がやって来て、釘を抜いてやった。

そして兎の悪戯をきいて、「それでは仇を取ろう」と相談して、大きなザルを持って二匹で山中の松やにを取って、それで、人形をつくって、兎の通う道の真中においた。

狐がかくれて見ていると、兎が通りかかって、人形に挨拶をしたが返事がないので、腹を立てて、「こん畜生」とたたいたら、手に松やにが、ひっついてぬけんようになった。

「放せ放せ」と言って、一生けんめいに抜こうとしたが、取れんので、又一方の手でたたくと、両手がぬけない。足でやると足もぬけない。

隠れていた狐は飛んで出て、「君このあいだのばちだよ」と言って兎を抱えて「湯の中に投げこんでやる」と言うと、兎は喜んで、「自分は湯がすきだ。どうぞ入れてくれ」と頼んだ。

「そんなら池へ入れてやろうか」と言うと、兎は「どうぞ投げこんでくれ」と頼んだ。

「そんならイバラの中に投げこもうか」と言うと、兎は「それだけは許してくれ」と頼むので、狐は兎をイバラの中に投げこんだ。

すると兎は松やにからぬけて、逃げてい行った。



「兎は自分の住みかのイバラの中に投げてもらう。」 という結末は、ディズニーランドのスプラッシュマウンテンのモチーフにもなっていますね。(^^)



アメリカのタール人形の話は、インドからアフリカに伝わり、アフリカからアメリカに伝わった話ですね。
ヨーロッパの話は、インドから中東経由でヨーロッパに伝わった話なのようですね。
日本のは、おそらく、明治以後にアメリカから入ってきた話でしょうね。(^^)

アメリカの「リーマスじいさんの話」と、ヨーロッパの「狐物語」という話は、よく似ています。同じモチーフの話もありますので、読み比べてみると面白いかもしれません。(^^)



人形ではないのですが、みんなくっついてしまうという話に、グリム童話の「黄金のガチョウ」 という話がありますね。

ある若者が持っている黄金のガチョウを見て、三人姉妹の長女が、その黄金の羽が欲しくて、ガチョウに手を触れるとガチョウにくっついてしまう。次女も三女も次々にくっついてしまう。次に牧師がくっつき、寺男がくっつき、農夫がくっつく。

それを見て、今まで一度も笑ったことのなかったお姫様が笑い。若者は、お姫様を笑わせたということでお姫様と結婚する。


というような話です。

この類話に次のような話があります。

踊る人たち

 ある町の広場には井戸があって、その水を飲むと、金魚の糞のように、みなくっついてぐるぐる踊りまわらなければならなくなる。

大勢の見物人がやって来たが、見物人にもその水がふるまわれた。すると飲むが早いか、皆その最後尾にくっついて踊り始めた。

すると一人の賢い男がいて、「お前たちはなぜ、能天気に踊りまわっているのだ。」と罵って、この馬鹿げた踊りをやめさせようとした。しかしこの男も一杯飲むや、最後尾にくっついて、踊り始めた。先ほど罵ったことを自分がやっているのだ。

今でもこの通りだ。議会の議員たちを罵り、「私が議員になれば、同じことはしない」などと言うが、その人が議員になるやいなや、全く同じことを繰り返すのだ。


テーマ : 境界のRINNE
ジャンル : アニメ・コミック

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