境界のRINNE 第10話 再会 鏡に映った他人の影 VS 自分の影 Part3

鏡に映った他人の影 VS 自分の影 Part2 の続きです。

先に、松山鏡は、鏡を知らない者が、鏡に映った自分の姿を見て、それを他人と勘違いするという話で、そこには、霊的なものは介在しないと言いましたが、では、イギリスの昔話 「なにもない」 の、水鏡に映る他人の姿を自分と勘違いする。という話はどうかと言うと、実はこの話には呪術的なものが介在しているようです。

「なにもない」の場合、水を汲みに来た醜い女の子が、水に映った美しい魔王の娘の影を見て、それを自分と勘違いし、自分こそが、王子様のお嫁さんにふさわしいと思い込み、そして実際に王子様のお嫁さんになる権利を手にいれてしまいます。

これは、鏡に映った者との入れ替わり、あるいは乗っ取り、と見ることができます。本来、美しい魔王の娘が、王子様のお嫁さんになるはずだったのを、水鏡の入れ替えにより、醜い娘に王子様のお嫁さんになる権利を奪われてしまうのです。

このイギリスの昔話の類話には、グリム童話の「がちょうの番の娘」という話があります。



美しいお姫様が遠い国の王子様と結婚することになり、侍女を一人連れて旅に出ることになります。この時、母親の女王は娘のお姫様に、嫁入り道具一式を持たせます。そして、自分の指をナイフで切り、白い布に血を三滴たらし、「これを大切にするのですよ。旅の途中で必要なときがきますからね」と言ってお姫様に与えます。

旅の途中で、お姫様は喉が渇き、侍女に水を汲んでくるように頼むのですが、侍女はそれを拒みます。そして、「自分で川辺に腹ばいになって、水を飲めばよい」と言います。

お姫様は仕方なく、腹ばいになって水を飲むのですが、その時、胸元から三滴の血のしずくの付いた白い布を落としてしまいます。侍女はこれを見て喜びます。というのも、お姫様は血のしずくをなくしてしまったために、弱くなってしまったからです。

その後、侍女はお姫様に豪華な服を脱いで、自分のみすぼらしい服を着るように命じます。そして、王様の屋敷に着いても誰にもこのことは言わないように、青空の下で誓わせます。



イギリスの昔話の、水鏡の取り違えの中には、このような「入れ替わり」 のモチーフが潜んでいたわけで・・・、松山鏡の無知のための勘違いとは、全く性質の違うものだったようです。

この他、ハンガリー民話の「花髪の男」 という話では、お姫様が王子様に置き換えられています。しかし、「花髪の男」 は全体としては、グリム童話の「鉄のハンス」や、フランス民話の「しらくも頭のジャン」の類話とみることができます。これらの話のモチーフは、色々と混ざりあっていますので、暇なときにでも、読み比べてみると楽しいかもしれません。(^^)

ところで、グリム童話の「がちょうの番の娘」では、お姫様は、侍女に青空の下で誓わされたので、本当のことを言うことができず、ストーブの中に入って真実を告白するのですが、これは、以前、らんま/考 でも取り上げました。

参考: らんま/考 紅つばさ ゴミ箱の中での告白

また、悪い侍女が罰せられるときには、「悪人は知らずに提案した罰を、自分が受けることになる。」というモチーフが使われています。これについては、次を参照下さい。

参考: 雑話 涼宮ハルヒの憂鬱 4話



今回は、かなり境界のRINNEから脱線してしまいましたが・・・(^^)
境界のRINNE の話では、雲外鏡に松山鏡、そして、うる星やつらの、「らぶらぶキャッチボール (本当は、とらぶるキャッチボール)」をとり混ぜたのではないかと思います。

うる星やつらの 12.11 テンからの贈り物!!
うる星やつらの 12.11 テンからの贈り物!! 高橋留美子 小学館

この玉を覗くと、未来の結婚相手が見える。




境界のRINNE では、落武者霊のお相手のお姫様には、花びらのようなアザがあったということで、このアザを持つ者を探したましたが・・・このような、同じ印や性質があるという話は、犬夜叉をはじめ数多くあると思います。(^^)

今昔物語 9.39 中国の卞の士瑜の父、功を価はずして牛と成る語

 中国の楊州に卞士瑜(べんしゆ)という人がいた。父は隋の時代の人で、陳を平らげた功績で儀同(ぎどう)を授けられていたが、ケチであった。

 この人は昔、人を雇って家を造らせたが、その代金を払わなかった。造った人が支払いを要求すると、その人を殴りつけた。その人はこれを恨んで、「あんたは死んだらきっと私の家の牛に生まれ変わるだろう」と言った。

 その後、士瑜(しゆ) の父は死んだ。すると家を造った人が飼っていた母牛が孕み、一頭の黄色い子牛を産んだ。その子牛の腰に黒い模様があった。それはちょうど人が腰に帯をしているようであった。また左の腿には白い模様があり、それはまさに笏そのものであった。

 牛の持ち主がこれを見て牛に呼びかけ、「卞公よ、私に借りがありながら、どうしてそれを払わず、牛なんぞに生まれたのか」と言った。

 その時、牛の子は即座に前足の両膝を屈め、頭で地面をたたく。牛の持ち主はこの様子を見て、「これはまさに士瑜の父の生まれ変わりに違いない」と思った。士瑜はこのことを聞き、銭十万をもってこの牛を買い取ろうとしたが、牛の持ち主は承知しなかった。すると牛はすぐに死んでしまった。

テーマ : 境界のRINNE
ジャンル : アニメ・コミック

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